モンテッソーリ教育では幼年期を0~3歳の前期と3~6歳の後期の2つに分け、
それぞれの時期で必要な教育分野を定義しています。
今回は 3~6歳の後期モンテッソーリ教育で必要な5つの教育分野についてまとめました。
後期モンテッソーリ教育とは
モンテッソーリ教育では 3~6歳の幼年後期を意識的に吸収する 時期としています。
幼年後期は、幼年前期に無意識的に吸収した様々なことを、意識的に整理し秩序立てていく時期です。
後期モンテッソーリ教育とは、 この意識的に吸収し秩序立てていく幼年後期に、どのような環境や関わりを持てばよいかを5つの教育分野として提示したものです。
後期モンテッソーリ教育 5つの教育分野
日常生活の練習
「日常生活の練習」とは日常生活の中の動きを分析して、子どもにも分かり易く課題として落とし込んだものです。
普段の生活の中で大人が日々行っている仕事や、自分の身の回りの世話などを子どもが分かりやすいよう動作を切り出し、練習しやすい「おしごと」として提供します。
前期では衣服の着脱など自分の身支度に関することがメインとなりますが、後期になると環境を整えるための動作が多くなります。
特に押さえるべき動作としては、以下のようなものがあります。
- 切る
- 折る
- 貼る
- 縫う
感覚教育
幼年後期の3歳~6歳は五感の発達が著しくなる感覚の敏感期に当たります。
感覚器の情報処理ネットワークを洗練させるため、五感を使う訓練の場として感覚教育が提供されています。
感覚教育に使用する感覚教具は色の違いや、物の大小、多少、などの概念を机上ではなく具体物を使って把握するものです。
教具の例としては色板 やピンクタワー、円柱差しなどがあります。
言語教育
幼年後期には書きことばに対する言語の敏感期があります。
前期に無意識で獲得した話しことばの言語について、読み書きや文法などに興味を持ち意識的に吸収する時期です。
教具としては、絵カードや、移動五十音による単語ならべなどが用意されています。
算数教育
幼年後期の4歳ごろになると数えたり数字に興味を持つ数の敏感期が訪れます。
モンテッソーリの教具では数を唱えるだけでなく、感覚としての数、音としての数、文字の数、これら全てを感じられる教具が用意されています。
子どもたちは具体物を使った教具で、集める、並べる、比べる、一致させるといった過程を通して数を理解していきます。
代表的な教具としては 1000個のビーズからできた「金ビーズ」や、 「算数棒」があります。
文化教育
6歳以降、早い子では5歳頃から文化の敏感期が訪れます。
花や木、動物、国旗、乗り物、宇宙などなど、文化の敏感期にいる子どもは様々なものに興味を持ちます。
図鑑や絵本を用意したり、野外での観察、地球儀や地図を用意するなど、子どもの「なぜ?」にとことん向き合えるよう、環境を整えます。